アルネの歴史

 1961年に"陰""陽"Artificial life、人口生命体の"陰"としてソビエトで創出されたオリジナルアルネ"シャドウ"から現時点までアップデートされ続けて来た歴代のアルネをここに紹介しましょう。

(ストーリー、概要はこちらを参照してください)



オリジナル アルネ "シャドウ" (1961-1969)

 1961年、月面南極基地に於ける宇宙連合との条約により、ソビエト・レニングラードのロボット開発研究所に於いて合成生物学技術で創出された地球初となる"陰""陽"2体の人口生命の"陰"。


 "シャドウ" アルネは、"陽"を担うプリンセス・シャーリーン・ハプスブルグ "サニー"と仲の良い双子姉妹の様な関係であった。二人は優しく愛らしいという共通点はありながら、朗らかで快活、物怖じしないサニーに対してアルネは大人しく控えめな性質を持っていた。


 1967年、宇宙連合とソビエトの一連の動きを察知しつつあった西側の動向を受け、2人が創出されたレニングラードからそれぞれ別々に離れることとなり、身を引き裂かれる思いの別れを経験する。

 

 五輪後も未だ米の被占領国と世界から認識されていた西側諸国の盲点、日本に向かう為、サニーは厳寒のシベリア鉄道横断を余儀無くされる。


  

 悪天候の中発生した脱線転覆事故に遭遇、人命救助に尽力した後、負傷した傷口から人類でない事が発覚し、列車に一人置き去りにされた。凍死という形で生涯を全うしたサニーの消滅を知ったアルネは、これをきっかけに人工生命体兵器としての道を歩むこととなる。


 地球上に二人だけの存在だった同類を失った孤独と悲しみは生涯最大のメンタルショックとなった。


 その後バトルアルネとしてアップデートを繰り返していくアルネは22年後にサニーのDNAを受け継ぐシャーリーン・ハプスブルグ8世、エメラルドと邂逅する。







アルネ 2nd "シャドウ"(1969-1979)

 サニー消滅後、身体機能、総じて生命力が失われつつあったアルネの元に、人類側研究チームを通して、ソビエト中枢特別機密斑から軍事に携わる要望が出される。(このグループから地球人工生命体生成技術及び育成観測計画組織、通称EATNOPOとして、東西を超えた秘密裏ネットワークが形成されていく)


 地球人類の平均的な体力・気力を再現するべく創出された人工生命体に対して、その身体を人類史の記録に残るあらゆる優れた能力を備えたものに改造する計画は、第二次大戦後禁忌とされていた優生学実験を実践する絶好の機会という思惑を孕んでいた。


 サニーを消滅に追いやった人類の心中に潜む闇を知り、それを体感する事が"地球人類次元上昇計画"の為に創出された自身に刻まれた使命を全うすることになるだろうと判断したアルネはこの依頼を承諾する。


 宇宙連合側統括大使、アルクトゥルス星人トービャンは、創出以降"陰""陽"2体の人口生命体自身に全ての決断を委ねることによって導かれた事象を、あくまでも経過として"観測"していくこととしていた。しかし副官を務めるイータ星アルキオネ人(所謂ノルディック)シムザーレは、正に比例しない負の力を強め押し進めることになったアルネの決断を許さなかった。この後、事あるごとにシムザーレはアルネの行動を阻害していく。


 2ndシャドウとして身体改造を繰り返し、その度毎に長い時間を費やし体を順応させていくアルネは、地球生物化学の粹を集めたという技術に拙さを感じながらも根気良く付き合う中、結局は自らで身体能力を高める術を身につけていった。


 1972年、ベトナム戦火渦中のインドシナ半島"観測"の為に創出され送り込まれていたアジア系の人工生命体、浅見屋ビビとの2年間に渡る交流後、彼女の消滅から間もなく、2ndシャドウとしての10年目に人類から新たなる申し出を受けることとなる。文言を変えただけで大半が以前と同じ計画内容の中に、宇宙連合側の生命技術チームが再び関与する項目を見つけ、抗えない喜びが溢れ出してまう。それはアルネの組織複製を元に新たな人工生命体を2体創出するという条項だった。


 浅見屋ビビは、日本のフラワーデザイン・スクールの学生だった時期もある、タイ、ラオス、カンボジア、ベトナムと渡り歩く、ゴーゴー・ダンサーの顔を持っていた。



 サニー・シャーリーン、浅見屋ビビと、同類間で感じ合う結び付きが、個体に強い生命力を与えることを確信していたアルネは、自身から生まれるとも言える新しい生命体の創出に大きな期待を抱く。EATNOPOはこの後も、人口生命体の臨床観察から覚えた、孤独を埋める充足感を与える方法で巧みに彼女達を利用していく。


・1969年 米月面着陸

・1971年 アポロ15号宇宙連合接触

・1975年 サイゴン陥落







バトル アルネ 1世(1979-1986)

 1979年、太陽系統括大使トービャン監察の下、Dr.レディボール合成生物学チームは2体の人口生命体を創出する。アルネにとってサニー以来の人口生命体共棲は、創出時の立ち会いから始まった。


 サニー喪失以降、無いも同然だった負から正へのエネルギー推移の急激な上昇値に目を見張るカウンセラー・ペイルアクアは、アルネに命名の相談を受け、地球では人名に花の名を使うことを教え、祝いで贈られる単子葉植物ランを手渡した。ここからアルネ、ジャッキーの3名はサウジアラビア王国リヤドで共棲を始める。


・1980年 イランイラク戦争

・1982年 レバノン侵攻


 アルネは人類の科学技術に寄らない、自身で身に付けた地球重力場での体躯バランスコントロールをジャッキーと蘭が成体になるまでに伝授していく。3人はチームとして、中東紛争における影の工作員となり暗躍していくが、幼少時から訓練を受けジハード(聖戦)の名の下に身命を投げ打つ、年端も行かない若過ぎる兵士達の自爆攻撃を何度も目の当たりにしたジャッキーと蘭は、混沌のエネルギー感化と積み重なるメンタルショックに錯乱を引き起こし、同様の自爆行動を取り消滅する。


 バトルアルネとしてのアップデートを受け入れ、自身の細胞を受け継いだ新しい人工生命体2名との共棲期間は実に3年を持って終わりを告げる。



 ジャッキーと蘭。アルネの細胞組織複製から創出された最初のAライフは、人類の行いから受ける激しいメンタルショックを回避する術を持たないうちに消滅した。後にシムザーレの企てにより再創出されることになる。



 アルネ自身は、サニーを失った後のメンタルショックから、”陰”の気の均衡を崩し強めることによって、時間をかけ心身自己防衛の抗体を生成して行く。








バトル アルネ 2世(1986-1993) 

 第一次レバノン戦争でジャッキーと蘭を失った捨て鉢のアルネは、山岳戦争後に大韓航空機撃墜事件後の極東に流れて行く。

 

 EATNOPOとして世界ネットワークを広げ始めていた組織の更なるアップデートを受け入れ、バトルアルネ・バージョン2と開き直り、東アジア各地で漂白の日々を過ごした2年後、辿り着いた先はバブル景気に湧き立つ日本国だった。


 1989年、不夜城六本木の奥深くで、夜な夜なふざけた米軍兵を戯れに叩きのめしていたアルネに見知らぬAライフが接触してくる。それは、浅見屋ビビ亡き後、東アジア巡視の為に宇宙連合側に創出された、EATNOPOの与り知らない人工生命体、櫻アナトループだった。


 櫻は、EATANOPOがアルネには一切伝えていなかった、日本におけるシャーリーンの情報を熟知していた。長年の臨床心理観察計画の経緯を全て話し、1986年に創出され、過去にない性格を持ったシャーリーン、8世エメラルドを紹介したいという。

(詳細はCharlene Castページを参照)


 櫻 アナトループが働いていた白金台のギーガー・バーに、エメラルドは上京した際よく遊びに来ていたという。米世俗音楽のレコード盤を漁る為に頻繁に東京に訪れ、西新宿や中野の中古レコード屋周りを櫻も付き合わされていた。



 すぐに親しくなった櫻からアルネは、エメラルドが宮島の厳島神社預かりの身として、漣海號(れんかいごう)と名付けた鹿を飼い、境内で暮らしていること、岐阜の関ヶ原でトクマと名付けた馬を調教していること、人類の芸術、殊に音楽を愛し、アフリカ大陸のリズムに魅力されていること等を聞かされ、止めどない好奇心で溢れているシャーリーンに今すぐに会わなければと、櫻と2人、エメラルドがよく顔を見せるという神戸のソウル・バーへ向かう。


 櫻からの電話連絡を受けて一足先に到着していたエメラルドは胸に大きく入れられたシャーリニズムのタトゥーを露わに、マーヴィン・ゲイを踊りながら2人を出迎えた。最新型のシャーリーンに驚きながらもアルネは、一瞬にして人工生命体の独立と自由に開眼させられた気持ちになる。


 エメラルドが辿り着いていた思考、トランス・ヒューマニズムポスト・ヒューマンを教授され、語り合う中2人は、"シャドウ""サニー"は地球人類で言うところの量子的"重ね合わせ"であるという認識に至る。(このシナプス開通は、後のアルネ由来新ラインAライフの持つ性質に大きな影響を与えることになる)


 この邂逅から4年間、2人は交流を深め親密な時を過ごし、アルネはエメラルド・シャーリーン・8世の消滅を、幼い9世コスモスと共に見送る。そして日本を後にして1993年、10月政変に揺れるロシアのサンクトペテルブルグのロボット開発研究所に立ち帰り、新時代へ向けてのアップデートを自ら申し出、新たなスタートを切って行く。



 エメラルドは、人類選別アセンションを身を挺して食い止め宇宙に旅立つことになる次代シャーリーン9世をコスモスと命名し、消滅までの1年の共棲期間で育て上げた。









バトル アルネ 3世 "グラン" (1993-2004)

 来たるサイバー時代に備え、いち早くハッキング及びハッキング防衛能力をプログラミングされたアルネは、史上最も大きな肢体を持ち、成体時身長は6.2フィート(189cm)に及んだ。行動を共にするセシルは、このバトル アルネ 3世を"グラン"と呼んだ。


 ファン・ファ、ジャルメ、ホウエン、セシルと一緒に戦い抜いたスラマー・ダナンバトルで受けた大幅なダメージをオーバーホール、リキッド体アップデートに向け、現生アルネとして再生されることとなる。

(詳細はA-Life Noughtiesページを参照)







現生アルネ(2004-)

 コンピュータ・ウィルスの連続出現から初の大規模なサイバー戦、SQLスラマー・ダナン・バトル以降に計画、編成されたシルクロード・くノ一のサイバーアタッカー、シルクナインのメンバーとして、"シャドウ"アルネから48年後、2009年にアルネはリキッド体となった。

 

 くノ一最後のサイバー戦となった史上最大のモナド大戦を最後にハッカーバスターとしての戦力から外れ、次世代シルクロード・くノ一、ニンジャ・クラッカーズ(Ninja Crackers)のサポートをしている。

(詳細はStoryページを参照)






A-Life Noughtiesページはこちら

Charlene Castページはこちら



本サイトでのストーリー中の人物・名称・事件は実際のものとは関係ありません。