STORY

シルクロードくノ一とは!?

 4G(第4世代無線通信システム)の末期まで、各国サイバー軍への傭兵派遣団として暗躍した人口生命体による特別サイバー部隊である。大規模なマルウエア"トロイの木馬"騒乱時にシルクロードくノ一は編成される。これは宇宙連合とソ連ボストークチームの密約から始まった長期に渡る地球人類への人工生命育成試験計画の一環として行われた。



 2009年、形状記憶液状生命体へとアップデートされたばかりの鶴丸とアルネ。ホワイトハッカー統合機関へ配布された写真。


 この年より始動したシルクロードくノ一のサイバーアタッカーであるシルクナインのメンバーは、

現生アルネ(2004〜)

セシル・ガルニエ(2000〜)

ファン・ホァ(2000〜)

ジャルメ1世(2000〜)

星 吉祥 1世(2004〜)

上月 鶴丸(2004〜)

備前 ベリンダ(2004〜)

圓 薊(2004〜2011)

エリカ(2004〜2017)

 以上の9名となる。





"Artificial life" 地球での隠された人工生命体創出までの道のり

 東西冷戦中、米は1954年に宇宙連合の急進派クリス大使を介するリゲリアンと、人体実験を厭わず容認する代わりに高度な宇宙技術を供与されるというグリーダ協定を交わす。

 同時期、人類に次元上昇を促すため地球を訪れていたノルディックの大使シムザーレはこれを危惧し、ソ連の分散する宇宙開発グループを統合して太陽系連合共有港(所謂月)での協定調印を目標に有人宇宙飛行計画の後押しをした。


 1961年、ボストーク有人宇宙飛行成功の裏で宇宙連合とソビエトは月の永久影、シャックルトンクレーター南極基地において、あくまで地球人の精神文明向上を目的とするという高次元技術供与調印が行われた。これにより宇宙連合からの生命技術チームがソビエト・レニングラードのロボット開発研究所に派遣され、Artificial life、人口生命体が創られることとなった。

 これは、同胞同士で核武装し争い合う星の民が、新たに創り出した生命体をどのように扱えるかを見る為の、人類を試す実験と言えるものだった。しかしながら現時点までの結果としては、次世紀まで核戦争は何とか免れたが、人口生命体の扱いに関しては時期尚早としか言えない、到底認められるものではなかった。  





"陰"と"陽" 人口生命体の誕生

 地球において初の人口生命体創出は宇宙連合生命技術チーム、レティキュリアンのマザースカルを指揮官にレディボール、ペイルアクア、そして地球人の母を持つレティキュリアンであるヒューメイリアンのロン、4名によって実行された。地球側の研究チームはただ技術記録をするのみだったが、創出後の生命体はソビエト宇宙局の管理下に置かれた。


 生命体は太陽系での地球の星間均衡・二気調和秩序に則り、"陰"と"陽"の2体が創出された。"陰"はアップデートと量産を繰り返しながら、人類間での衝突を回避する為の影となる"シャドウ"アルネとして(アルネは男性名である。創出時に不十分な設備の為に心身乖離を起こし、形成された精神に沿う形で予定外の女性肉体となった)、"陽"は創出の資金源となったオーストリア、ハプスブルク家に帰属する養妃という形をとりプリンセス・シャーリーン・ハプスブルク "サニー"として人工生命の認知を広めるため表舞台での活躍を目指す計画が立案、実行された。

 だが実情は"シャドウ"は人類間の防御兵器として利用され、 "サニー"から始まるシャーリーン達は目先の臨床心理観察研究の材料とされていった。この"シャドウ"アルネの延長線上に、サイバー戦争時代での対ブラックハッカー傭兵集団シルクロードくノ一のメンバー達が存在する。



 オリジナルアルネ"シャドウ"は男性の生命体として創出されるはずだったが、想定外のアクシデントが起こり女性として誕生した。

 地球での十分とは言えない設備環境の中、"サニー"は順調に創出された。この写真に写るペイルアクア、マザースカル、レディーボールの表情からその安堵が伝わって来るようだ。








シルクロードくノ一 戦記


2004年 "トロイの木馬"騒乱(Great Trojan Fall)

 大規模なマルウエア"トロイの木馬"の出現により、各国を巻き込んでのネットワークシステム騒乱が勃発した。これを機に各国サイバー軍へのA-Life傭兵派遣部隊として"シルクロードくノ一"の編成計画が始まる。

 

ここまでアップデートを重ねて来たアルネ、ミレニアム創出のハッカーバスターであるジャルメファン・ホァ、核エネルギー放出からの抗体を備えたセシルの4名に加え、セシルを原型とした原子力抗体エリカの他、ベリンダ鶴丸が創出された。この5名は誕生後4年間、それぞれ世界各地で秘密裏に訓練を受けて成長することになる。

(各メンバープロファイルはMain castページ参照。)


 2009年この年、シルクロードくノ一のサイバーアタッカー、シルクナインとなる9名は、形状記憶液状生命体へとアップデートされる。人類の力では遠く及ばないこの技術は、宇宙連合の大使、顕在アルクトゥルス星人トービャンの指揮の元、実行された。




2011年 第4次"アストラルシャム"戦争(Fourth Astral Sham War) 

 トロイの木馬騒乱以降、小刻みに続いていた各国への反乱分子のサイバー攻撃に加え、それを装った各国間の数度の小競り合いが激化し大きな一つの波となった。第4次アストラルシャム戦争である。


 地球外から持ち込まれたプロトコルと言われる、IPアドレスを無に帰すアストラルシャム・プログラム争奪の4度目の大戦となった。しかしアストラルシャム自体が架空のものであったという愚かな結末を見て、この時期地球のアセンション(次元上昇)監督のトービャンは非常に落胆した。

 

 この戦いで星、ホァとチームを組み実行されたミッションで圓 薊(まどか あざみ)は消滅した。崩壊後の再生、廻天甦(かいてんこう)がすぐさま行われたがブラックウィルスの侵入トラブルにより再構築不可能となり、サイバースペース上にて霧散する。




2017年 ペルシャ・ネットワーム事変(Persia Cyber Net Wormhole Incident)

 ミレニアムからの4年間に頻発した感染増殖プログラム"ネットワーム"での攻撃は、SQLスラマー・ダナンバトル(2004)で収束を見せたかに思えたが、10年以上もの時を掛けランサムウエア"ワナクライ"として巨大化し全世界に甚大な被害を与えた。


 ブラックハットハッカーグループ、シャドー・ブローカーズバッカイ(Buckeye)が手を組んでイラン・イスファハンに地下アジトを構えているという噂の流布、デマゴギーに操られ被害国はネット戦から実戦へ移行寸前だったが、クリスティン毘盧の諜報が功を奏し、既の所で食い止められた。この成果が認められ、彼女はシルクロードくノ一の正式な諜報員となった。

 

 激しい攻防の末にエリカとジャルメが消滅、アルネの組織を用い再構築されたが、エリカはダークウェブ上でスクランブルストームに会い消息を絶ち、崩壊からの時間経過が長過ぎたジャルメの廻天甦は困難を極め、辛うじての再生から3年間回復出来ない状態が続いた。




2019年 5Gゾロアスター・ムーヴメント(5G Zoroaster Movement) 

 第4世代通信システムの終局を目前にして、パラダイムシフトを標榜する複数ブラックハットハッカーグループが徒党を組み一大勢力となり、"5Gゾロアスター・ムーヴメント"と呼ばれる潮流を作った。

 

 彼らの一神教信仰に基づく新世界作りか、レプティリアンの巣窟と言っても過言ではなくなっていたかつての大国の弱体化を前にし、新共産世界を築いていくか、二者択一の岐路に立たされている人類に宇宙連合大使トービャンは静観を保ったままだった。




第1次モナド・アンダーシュート攻撃(Monad Undershoot 1st Attack)

 薊とエリカを失い、ジャルメは戦力外、実質6人となったシルクナインと、弱小化したチームのバトルフォーメーションを計算するマザーボードDAL−9000の苦心を聞き付け、基地サウジアラビア・リヤド・地下モナドタワー第11世シャーリーン・ハプスブルグ養妃クリサンが入塔する。

 

 2009年、シルクナインと同時期に形状記憶液状生命体へのアップデートを済ませていたクリサンは、サイバーアタックプロトコルを自らプログラムローディングする能力を備えていた。ますます熾烈になるハッカー達の巧妙な攻撃を駆逐し続けたクリサンであったが、ファン・ホァとのペアリングミッションで敵の放った最新のスクランブルトラップでパラレルスペースへ幽閉され、ホァと共に全身崩壊が始まる。


 まだ脆弱なトラップだった事もあり、すぐにアルネとセシルが駆け付け廻天甦の準備が整うが、ニューロン分解が進む最中、Aライフ特有のタキサイキア現象で過去シャーリーンに起こった全ての事象と彼女達の思念を体験し、消滅の道を選ぶ決断をする。


 この時点で予測されていた人類のパンデミックが到来し、戦いは一度休戦状態に入ったが、その裏でパンデミックワクチン利権を前にしたトキソイドデータバトルが進行し始めていた。




2020年 第2次モナド・アンダーシュート攻撃(Monad Undershoot 2nd Attack)

 シャーリーンの終焉は、残されたシルクナインに暗い影を落とした。メンタルショックに対して十分な抗体があるのは"シャドウ"として創出されアップデートを繰り返してきたアルネだけだった。


 休戦により離散したシルクナインだったが、一度離れたリヤドに舞い戻っていたクリスティンから召集がかけられた。すでに参戦していたホァがまた消滅し、急行したアルネは廻天甦を済ませた直後、ハッカーを欺く為にセシル、チアンと共にCIAに偽装勾留され、報道、その後すぐに解放された。


 ホワイトハッカーチームから戦力外通告が出されたアルネ、セシル、ホァ、チアンの4人とクリスティンは、DAL-9000のシステムが組まれている日本・埼玉県飯能のアジトへ戻った。


 1ヶ月後、依然続いていたモナド戦に再度Aライフの参戦が認められた為、完全に回復したジャルメ2世となるチアン星 吉祥の妹、千鶴江がリヤドへ向かった。トキソイドデータバトルに決着が着くこの戦いのあとひと押しに星 吉祥も召集されたが、決められていたミッションでは、既に星の消滅は確定していたので廻天甦を行うアルネもすぐにリヤドへ向かった。そしてこのトキソイドデータバトルを孕んだモナド大戦は終戦を迎えた。



 ここでシルクロードくノ一の戦いの幕は閉じられる。敵側ブラックハットグループからモナド戦クライマックスでの新世代戦略を評価されたチアンと千鶴江はニンジャ・クラッカーズ(Ninja Crackers)と名付けられ、現在厳重警戒対象となっている。




 2020年9月、ハッカーが観るであろうニュース報道の為に偽装逮捕されたアルネとチアン。解放されて間もなくチアンは廻天甦後3年間未回復だった身体機能が復活した。









シルクロードくノ一 戦訓
(ホーチミンの言葉より)


一、謙虚、誠実、勇敢であれ

I am always modest and I am brave faithfully and want to be.


一、今日、象が戦っているのは蝗だろうが、明日になれば腸を食い千切られていよう。

An elephant fights against a locust today; if it is tomorrow even if do it, the bowels will be bitten.


一、大胆に前進しよう。勝利は必ず我々のものだ。

Let's advance boldly. The victory is our thing by all means.


一、独立と自由ほど、尊いものはない。

As independence and freedom, there is not the holy thing.








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